PHILL Design

PROJECTS

あたみ 石亭 プレミアムダイニング 雲珠

Japanese Dining

Atami SEKITEI Premium Dining UZU Atami,Shizuoka

May 2015 740㎡
2016年 日本空間デザイン賞
Photo:Shin Photo Work

あたみ石亭は3000坪を誇る日本庭園に銘石や灯籠、流水が調和する静寂の中に数寄屋造りの離れが点在している。55年余りの歴史が紡がれた老舗旅館であり、日本の伝統文化の継承をするとともに、時代に即した進化を重ねている。
かつては、60畳~24畳の5部屋の大広間をメインダイニング「朱雀」と11の趣の異なる個室にリニューアルをした。
空間デザインのテーマは、老舗旅館に伝承する和の神髄を如何にして「今」のかたち/スタイルに重ねあわせて、その伝統と調和をさせてバランスをとるかがポイントになった。
メインダイニング「朱雀」では、京和傘の伝統の技によるペンダント照明が柔らかい和みの光を放ち、ランダムな太さとピッチの「今」をアレンジしたアイアン格子と越前和紙が重なりあい程よく空間を仕切っている。壁には金属粉を練り込んだ左官技術と砂子職人による屏風が呼応している。それらは磨き込まれた本漆のテーブルに映り込み重なりあっている。
石庭を臨む個室は欅などの無垢材の天板や土壁、江戸唐紙を使用して、より和み感を醸し出している。
和みの佇まいとして、如何に空間を吟味し、心地よい場を創造できるか。表現としての素材と光をデザインの軸として考察している。間接照明で浮き上がる土壁の質感や、光を透かした和紙と格子などのシルエットが重なり合い、視線の動きに同調して動き始める。全てが重なり、そして空間にリズムが出て調和[Harmony]が生まれてくる。

進化した老舗旅館の心地よいサービスと懐石料理、世界に認められる「和のおもてなし」がここにあります。